なぜ花火は夏にやることが多いの?
気がつけば11月になりましたね。
来週また少し暖かくなるようですが、なんとなく上着が欲しくなってくる季節になってきました。
そんななか夏の思い出を振り返ってみたのですが、今年も花火大会に行けなかったな~なんて思たりして。
ここでひとつ疑問。
なぜ花火大会の大半は夏に行われるのかしら?
勿論10月などにも花火を行っている地域はありますが、それらの話をきくと秋なのに花火? なんていいたくなってしまいますよね。
実は花火大会が夏に多い理由には打ち上げ花火のはじまりが関わってきているのです。
きっかけは隅田川で弔いのために上げられたもの
そもそも打ち上げ花火が上げられるようになったはじまりは亨保18年、西暦にして1733年の江戸時代まで遡ることになります。
このころ江戸や関西では飢餓や疫病などが流行っており、たくさんの方が命を落としていました。
学校で習ったか記憶があるかと思いますが、つまるところの享保の大飢饉やコレラなどです。 そんな死者を弔うために、そして悪疫退散のために水神祭というお祭りが催されました。
その水神祭ではじめて、打ち上げ花火が上げられたのだそうです。
なぜ花火を上げたのか詳しくはわかりませんが、きっとお盆の送り火のようなイメージだったのでしょうね。
江戸の人々にウケて習慣化
では鎮魂のために上げられた打ち上げ花火がなぜ習慣化したのか、これには当時の人達の趣向が関わっています。
当時の人達というのは『火事と喧嘩は江戸の華』なんて言葉もある通り、賑やかなものや華やかなものが好きな基質でありました。
そんな人達がド派手に音を立てて打ち上がる花火をほうっておくわけがありません。
と、いうわけで多くの花火師さんたちが登場し、我が我がと打ち上げ花火を作って上げていったのです。
このときに最近ではあまり言わなくなりましたが、それでも花火を見たときのお決まりとなっている『玉屋』さんと『鍵屋』さんという花火師さんも登場しました。
それからというものの打ち上げ花火文化はすっかり受け入れられ、川開きの時期の定番となって今に至るというわけですね。
夏場は日中は暑くても夜風が心地よかったりして夕涼みするにはもってこいの季節ですから、いまでも夏に花火大会を開くことが多いのでしょう。
冬の花火にはメリットも
そんな夏に開かれることが多い花火大会ですが、実は真逆の季節である冬に打ち上げ花火を上げるとちょっとしたメリットがあります。
それはとても花火がきれいに見えること。
冬というのは湿度だったりいろんなものの関係(もう少し詳しい理由は気象庁のこちらで→★)で空気が澄んでいる傾向にあります。
そのため夏場よりもより鮮明に花火を見ることができるのです。
イベントやテーマパークなどでは冬でも花火を上げることも少なくないですし、海外の年越しイベントなんかでも見ることができますから機会があればぜひその違いを堪能してみてください。
日本では少し時期外れな話題となってしまいましたが、実はそう思ってしまうのにはこれらの理由が関係していたのですね。
実際まだ先祖供養の目的で花火を上げている地域もあるようですし、そうでなくても来年の夏はちょっとだけご先祖様に思いを巡らせてみるのも良いかもしれませんね!